それって更年期のせい?めまいの原因と対処法

効果・効能

「最近、めまいがよくあるけど、これって更年期のせい?」そう感じている方もいらっしゃるかもしれません。更年期は、女性ホルモンの分泌量が急激に変化することで、心身に様々な変化が現れる時期です。めまいもその一つとしてよく見られる症状です。この記事では、更年期のめまいの原因と、具体的な対処法について詳しく解説していきます。

更年期とめまいの関係

更年期は、卵巣の機能が低下し、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が急激に減少する時期です。このホルモンバランスの大きな変化は、体の様々な機能を調整している自律神経の働きに影響を与え、めまいを引き起こすと考えられています。つまり、ホルモンバランスの変化が、めまいの引き金となることがあるのです。

なぜ更年期にめまいが起こるのか?

更年期にめまいが起こる背景には、いくつかの要因が重なり合っていると考えられます。

まず、エストロゲンの減少が挙げられます。エストロゲンは血管を広げる働きを持っているため、その量が減少すると血流が悪くなり、特に脳への血流が低下しやすくなります。脳は常に酸素と栄養を必要としているため、血流が不足するとめまいを感じやすくなるのです。

次に、自律神経の乱れです。エストロゲンの減少は自律神経のバランスを崩し、めまいだけでなく、ほてり(ホットフラッシュ)、発汗、動悸、イライラなど、様々な症状を引き起こします。自律神経は、体の様々な機能をコントロールしているため、そのバランスが崩れるとめまいのような症状が現れやすくなります。

さらに、加齢による影響も無視できません。年齢を重ねるにつれて、平衡感覚を司る器官の機能が徐々に低下していくことも、めまいの原因となります。これは、目や耳、脳など、バランスを保つために必要な器官の機能が複合的に影響するためです。

更年期のめまいの特徴

更年期のめまいは、特有の感じ方があることが多いです。例えば、ふわふわする、ぐらぐらするような浮動性のめまいを感じることがあります。これは、まるで雲の上を歩いているような、足元が定まらないような感覚です。また、立ち上がった時に血圧が急に下がることで起こる、立ちくらみのようなめまいを感じることもあります。

めまいと同時に、ほてりや発汗、動悸などを伴うことも、更年期のめまいの特徴です。これらの症状は、自律神経の乱れによって引き起こされることが多く、めまいと同時に現れることで、より不快に感じることがあります。また、めまいが一時的ではなく、断続的に起こることもあります。

めまいの種類

めまいは、その感じ方によって大きく3つの種類に分けられます。周りの景色や自分がぐるぐる回るように感じる「回転性めまい」、ふわふわと体が浮いているように感じる「浮動性めまい」、そして立ち上がった時などに起こる「立ちくらみ」です。以下、それぞれのめまいについて詳しく解説していきます。

回転性めまい

回転性めまいは、周りの景色や自分がぐるぐる回るように感じるめまいです。まるでメリーゴーランドに乗っているような感覚に近く、吐き気を伴うこともあります。平衡感覚を司る内耳や脳の異常によって引き起こされることが多いです。

浮動性めまい

浮動性めまいは、ふわふわと体が浮いているように感じたり、足元が不安定に感じたりするめまいです。地面が波打っているように感じたり、雲の上を歩いているように感じたりする感覚があります。自律神経の乱れや血圧の変動、脳の血流不足などが原因となることがあります。更年期に多いのは、この浮動性めまいです。

立ちくらみ

立ちくらみは、立ち上がった時などに、血圧の低下によって起こるめまいです。急に立ち上がった際に、血液が下半身に集まり、脳への血流が一時的に不足することで起こります。目の前が暗くなったり、意識が遠のいたりするような感覚があります。

めまいが起きた時の対処法

めまいは、様々な原因で引き起こされますが、適切な対処を行うことで症状の緩和が期待できます。ここでは、めまいが起きた際に、安静にすること、深呼吸でリラックスすること、水分を補給することの3つの観点から、具体的な対処法をご紹介します。

まずは安静にする

めまいが起きた時は、何よりもまず無理に動かず、楽な姿勢で安静にすることが大切です。横になるのが一番効果的ですが、状況的に難しい場合は、椅子に座るなど、できるだけ楽な姿勢を取りましょう。無理に動こうとすると、症状が悪化する可能性がありますので、落ち着いて行動することが重要です。

深呼吸でリラックスする

次に、ゆっくりと深呼吸をすることも有効です。深呼吸をすることで、乱れた自律神経のバランスを整え、心身ともにリラックス効果を得られます。落ち着いてゆっくりと呼吸を繰り返すことで、めまいの不快感を和らげ、精神的な落ち着きを取り戻すことができます。息を吸う時と吐く時の長さに意識を向け、深い呼吸を意識しましょう。

水分を補給する

また、脱水症状もめまいの原因となることがあるため、こまめに水分補給を心がけましょう。特に、運動後や汗をたくさんかいた時、気温が高い時などは、体内の水分が失われやすいため、意識して水分を摂るようにしましょう。冷たい水よりも、常温の水やお茶などをゆっくりと飲むのがおすすめです。

めまいの予防法

めまいの原因は様々ですが、生活習慣の乱れもその一つです。規則正しい生活、適度な運動、ストレスの軽減、バランスの取れた食事は、めまいの予防に繋がります。ここでは、これらの要素に基づいた4つの予防法を詳しく解説します。

規則正しい生活を送る

規則正しい生活を送ることは、めまいの予防に大きく貢献します。十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動を心がけ、生活リズムを整えることが大切です。特に、睡眠不足は自律神経の乱れに繋がりやすく、めまいを引き起こす要因の一つとなります。質の良い睡眠を確保するため、就寝前はリラックスできる環境を整え、カフェインの摂取を控えるなど工夫しましょう。

適度な運動を習慣にする

ウォーキングやヨガなどの軽い運動は、血行促進や自律神経の調整に効果的です。無理のない範囲で、継続して運動を行うように心がけましょう。体を動かすことで血の巡りが良くなり、内耳への血流も改善されるため、めまいの予防に繋がります。ただし、めまいがある時は無理な運動は避け、体調に合わせて運動強度を調整してください。

ストレスを溜めない工夫をする

ストレスを溜めないことも、めまいの予防において重要な要素です。ストレスは自律神経の乱れに繋がるため、自分なりのリラックス方法を見つけ、ストレスを溜め込まないように意識しましょう。例えば、音楽を聴いたり、趣味に没頭したり、ゆっくりお風呂に入ったり、自然の中で過ごしたりするなど、自分が心地よいと感じる方法でリラックスする時間を持つようにしましょう。

バランスの良い食事を心がける

バランスの良い食事を摂ることは、体全体の健康維持に繋がり、めまいの予防にも効果的です。特に、鉄分不足はめまいを引き起こす可能性があるため、鉄分を多く含む食品(レバー、赤身の肉、ほうれん草など)を意識して摂取するようにしましょう。また、過度な塩分摂取は血圧に影響し、めまいを引き起こす可能性もあるため、減塩を心がけることも大切です。

医療機関への受診について

めまいが頻繁に起こる場合や、他の症状(吐き気、嘔吐、耳鳴り、手足のしびれなど)を伴う場合は、重大な病気が隠れている可能性もあるため、早めに医療機関を受診することが大切です。自己判断せずに、専門家の意見を聞くようにしましょう。

めまいが気になる場合は、まずは内科や耳鼻咽喉科を受診することをおすすめします。そこで必要な検査を受け、原因を特定してもらうことが重要です。必要に応じて、脳神経外科など他の診療科を紹介される場合もあります。

まとめ

更年期のめまいは、ホルモンバランスの乱れ、自律神経の不調、加齢による感覚器官の機能低下など、様々な要因が複雑に影響し合って起こります。主な症状は、フワフワする、グラグラする、立ちくらみなどです。日常生活では、規則正しい生活、バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠を心がけましょう。また、ストレスを溜め込まず、リラックスする時間を作ることも大切です。市販薬で症状の緩和が期待できる場合もありますが、症状が重い場合や長引く場合は、他の病気が潜んでいる可能性も考慮し、我慢せずに医療機関への受診をご検討ください。婦人科やめまい外来などを受診すると良いでしょう。この情報が、更年期のめまいに悩む皆様のお役に立てれば幸いです。

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